一日葬って?<篠山のお葬式屋さん徒然日記>

皆さんこんにちは

今回はメディアなどでよく耳にする

「一日葬」

を取り上げてみたいと思います。

最近いろいろなメディアや葬儀社、葬儀紹介サイトなどで一日葬を勧めるところが増えています。

一日葬とはお通夜をせずにお葬儀当日のみを行うといった葬儀の形です。

そうすることによってお通夜にかかる人件費や、お食事などの経費も抑えられてお得ですよーって感じでしょうか?

確かに関東の方などではお通夜に参列された方に通夜振る舞いとしてお食事をふるまうのが通例ですし、お通夜にかかわる葬儀社のスタッフや司会などの人件費も結構かかります。ですからそれらをなくすことでお葬儀の価格を下げましょうってことなのだと思います。

私もそれは選択肢として全然ありだと思いますし、関東方面の方や都市部の方にとっては新しい形として歓迎されることかもしれません。

ところがこの「一日葬」ですが、私ははじめ新しい形のお葬儀として聞いたときに「え、何のこと?」とおもってしまいました。

何でこんなことするんだー、そんなのおかしいやないか!

っていうわけではなくて

当社のある丹波篠山という土地ではもともとお通夜にお坊様が来られない形のほうが一般的で葬儀全体の70%ぐらいは今世間でいう一日葬なんです。

ですから基本的にお通夜は家族や縁のある人々で故人様を見守るというかたちがふつうにおこなわれてきました。

もともとお通夜にお坊さんが来られるようになったのは会社関係の方など昼間のお葬式に来られない方がいるのでお通夜にもお坊さんに来てもらうようになったという話もあるぐらいなので。

もちろん宗派によっては必ずお通夜にお坊さんが来られるところもあります。篠山でも城下町の商店街なんかの地域では宗派によらずお通夜にお坊さんが来られます。これは先ほど書いたように商売をしている人は昼間のお葬式に参加しにくいのでといった理由が大きいようです。

もともと私どもはお通夜の晩まではご自宅で過ごしてお葬儀の日だけ式場に移動する形のお葬儀を多くやってきましたし、勧めても来ました。

そうすることで故人様も住み慣れたご自宅で過ごす時間もできますし、お寺様も来ないのでご遺族もゆっくり過ごせます。(当然多少のご弔問客はありますが、通夜式を営むことに比べたら親しい人が来るぐらいですので負担は少なくなると思います)

また離れた葬儀場へ行くのが困難なご近所の高齢の方などがご自宅なら故人様とお別れできるといったメリットもあります。

そのほかにも、通夜の分の式場利用料や葬儀社の人件費もかかりませんから費用的にもおさえられます。

当然田舎のほうがおうちが広い場合が多いなどのことがあってのこととは思います。都会ですとなかなかご自宅に帰りたくても難しいという事情はあるでしょうし。

とまあ、こんな理由でこちらの地域では一日葬というのは新しい形でもなんでもなく昔から執り行われていたものなんですよね。

もちろん病院から直接葬儀場へ連れて行くほうが楽だという考え方の方もおられるでしょうからそれはそれで構わないんですけど、私は古い考えかもしれませんが事情が許すならできればいったんご自宅へ故人様を帰してあげたいというのが本音です。

今世間で言われているように葬儀費用を抑える効果も期待できるでしょうし、またほかにもメリットはあるとおもいます。

葬儀社にしてみれば通夜分の葬儀会館利用料がもらえないなどのデメリットもあるかもしれませんが・・・・・

一日葬は葬儀を簡略化するものではないので、通夜にお坊さんを呼ばないといけないと思われている方は参考にしてみてください。

 

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