みなさんこんにちは本多セレモニー東です
今回のブログは知っているようで実はよくわからないことについて書いてみようと思います。それは
お葬式ってどんなもので、何をするの?
ということなんです。当然お葬式は亡くなってしまった人とお別れをする儀式なのですが、じゃあなぜお坊さんを呼んだりキリスト教なら神父さんや牧師さん神道なら神職さんといったような方を呼んで何やら儀式をするのかと聞かれたらなかなかきちんと答えられる方は少ないんじゃないかな?と思います。そこで今回は一番スタンダードな仏教式について書いてみたいと思います。ひとくくりに仏教といいましてもさまざまな宗派があるので一般的にわかりやすい形で書いていきますのでそれはご理解ください。
仏教のお葬式は大きく分けると2つの部分に分かれます。前半の部分は亡くなった人にお坊さんになっていただきそして送り出す儀式です。ですからまず最初に行われるのが髪の毛を剃る剃髪の儀式ですお坊さんが剃刀を手に亡くなった方の頭を剃る真似をしながらお経を唱えている姿を見た方もおられるんじゃないでしょうか?この儀式は場合によっては枕経の儀式のときに行われることもよくあります。枕経とは亡くなって一番最初に頂くお経です自宅などで行われます。このお経についてはまた詳しく説明することもあるかなとは思いますのでこのまま続けさせていただきます。
剃髪の儀式が終わりましたらそのあとはお坊さんになる心得といいますか、守らなければいけない戒めを与えます。このことを「授戒」「戒を授ける」と言ったりします。殺さない、嘘をつかないなど様々な戒があり、それを守ることを誓ってお坊さんとなります。
その戒を授かった後にその日の導師を務める菩提寺のお坊さんから血脈というものを授けられます。四角い紙の包みに血脈と書かれていまして、その中にはお釈迦様から代々続いてきたお坊さんの子弟の図、簡単に言いますと家系図のようなものが書かれています。ですから最後から二番目には菩提寺のご住職、その次に亡くなった方のお名前が書かれていることになります。そしてよく御存じの「戒名(お坊さんとしての名前)」を授けられるのです。本来ここまでは生きているときに行われるべき作法です。
血脈、戒名の授与が終わりますとここから読経が始まります、このお経には棺に入るとき、棺に収まった後そして棺を出発させるときにそれぞれ本来ならば唱えられるお経を唱えます。土葬のころですとこの後に自宅を出発して棺を埋める場所へ葬列を組んで移動しそこでまた儀式を行うのですが式場で行う現在ではそのまま引き続いて行います。お葬儀の途中にお坊さんが席を立っていすを移動したりする姿を見たことがある方も多いと思います。
ここからは引導の儀式となりますこれにより故人を仏の道に導き浄土へと向かわせるための儀式となります。ただし宗派によってはこの作法がない場合もあります。法語を唱え、故人に教語(教え)を与えたり故人の来歴・人柄などを読み上げたりなどします。そして最後に宗派によっては導師が大きな声で「喝」を入れます。突然の大きな声にびっくりした方おられませんか?某テレビ番組で有名ですがその語源はここからきてるんです(笑)本来ですとこの後に土葬なら棺を埋めたり、火葬なら火をつけるのですが、現在はこの後に焼香をし、しばらくお経を唱えた後お坊さんは退場し故人様とのお別れの儀式へと移ります。どうです?意外にお坊さんってあの時間の中で様々なことをしてるでしょ?
ここからは葬儀の後半の部分でお坊さんの儀式とは関係ない故人と親族や参列者との間のお別れの儀式となります。この部分には特に決まりはなくお棺の蓋をあけ故人の好きだったものやお花などを手向け最後のお別れをし、お棺の蓋を再度閉めた後出棺火葬となります。
お葬式の流れというのは大体このような形です。
わかりやすく書くと、頭を剃ってお坊さんになる準備をする→お坊さんの心得を聞いて住職のお弟子となる→亡くなってからの作法やお経をいただく→お別れの儀→出棺 このようになります。
なぜこのような儀式をするようになったのでしょう? おそらく昔から人々は亡くなった方が良いとこに行くことを、安らかに過ごせることを願うもので仏教ではこの世の苦しみから逃れる(解脱)するには出家してお坊さんとなることが必要とされています。そこで、亡くなった後でもよいから菩提寺のご住職に頼んで故人をお坊さんにしていただきできるだけよいとこに行けるよう願い送り出したのが理由ではないかと思います。亡くなった方を祀ったりすることにおいて日本人はとりわけ手厚い民族ですし、ご先祖様や亡くなった方のためにという思いがこのようなお葬儀の儀式にも込められてきたのだと思います。できればみなさんもお葬式に参列することがあればこういったことを理解して送っていただけるとより一層お葬式が意味深いものとなるのではないでしょうか。
ここまで書いたことはごくわかりやすく書いていますので厳密にいうと正しくない場合や宗派によっては当てはまらない部分もあると思いますのでその点はご容赦ください。今回も長々と書きましたが少しでも参考になればありがたいです