お位牌のこと<篠山のお葬式屋さん徒然日記>

みなさんこんばんは、今回は

お位牌について

書いていきます。

お位牌は鎌倉時代に日本に伝わり江戸時代になって庶民にも広がっていき、ご先祖様をお祀りするためのものとして大切にされてきました。火事の時にご先祖の位牌は一番に持ち出したなんて話も昔はよくありましたしね。そんなお位牌ですがお葬式の時になぜ用意するのでしょう?

お位牌というのは仏教のお葬式にはつきものではありますし、みなさんのご自宅にあるお仏壇の中に収めてあるかと思いますのでお葬式にかかわる物としては一番ポピュラーなものの一つではないでしょうか?ただし、浄土真宗などの宗派によってはお位牌ではなく過去帳というものに法名を書いておくこともありますので仏壇には無い場合もあります。ちなみに神道の場合は故人の魂を宿した霊璽(れいじ)というものを飾ります。

お位牌には白木の位牌塗りの位牌がありますがそれぞれの違いは簡単に言いますと、白木の方はお葬式の時に使われるもので塗りの方はその後お仏壇に収めるものということになります。

まずは白木のお位牌についてお話ししたいと思います。このお位牌も地域によって違いがあり最もわかりやすいのはお葬式の時に使う本数です。都市部ではほぼなく1本なのですがここ篠山ではほぼ2本になります。この違いはなぜなのかといいますともともとは2本が正式で、土葬のころ1本はお墓やお寺にもう1本は埋葬されているところに置かれていました。火葬となってからは1本をお寺様がお持ち帰りになるかもしくは火葬の際にいっしょに収め、もう1本を満中陰までお骨を祀る段(中陰段)のところに置くようになりました。都市部では置いておくお墓や埋葬地がないため1本に簡略化されたのだと思います

お墓やお寺に置く方を内位牌、埋葬地や中陰段に置く方を野位牌といいます。一目見ると同じような位牌ですがよく見ると違いがあって内位牌には宗派によりますが新帰元や新円寂などと書かれていたり、野位牌の方には空や還・円の文字などが書かれているのが違いとなります。新帰元や新円寂という文字は新しく涅槃の世界に入ったという意味があります。

そして塗りのお位牌についてですが、こちらは本位牌といいます。基本的には49日の法要までに作るとよく言われます。ただそれも絶対ではなくて百カ日や一周忌の時までにというケースもよくあります。塗りの位牌も1人1本作るのか夫婦で1本にするのかまたは繰り出し位牌(たくさんの板状のものにそれぞれのお戒名を書いて差し込んでおき、法要をする人の戒名を一番前にするタイプ)にするのかなどを考えなければいけませんので、あまり焦って作らない場合もあります

白木の位牌はあまり違いがないのでお葬式屋さんが用意している物で問題ないでしょう。私が知る限り白木のお位牌にランク付けして価格をつけて選んでもらう葬儀社は聞いたことがありません。もしそれで高いのを売って儲けようなんて考えているところがあったらビックリです。

しかし本位牌のほうは種類や大きさもさまざまで価格も大きく違います。価格は2,000円ほどから数万円まで様々ありますし、大きさは収めるお仏壇に合わせる必要があります。漆塗りで塗ったものや唐木造りのもの、文字を掘る場合も金箔を張ったりもできるので考えないといけないことが結構あります。ですから焦って作るよりもよく考える方がよいかもしれません。

本位牌を作る場合に注意が必要なのはもし夫婦でお位牌を作っているなど先に別の方のお戒名が彫ってある場合は必ずお寺様にお性根抜きをしてもらうことです。そして、字を掘った後に改めてお性根入れ(開眼法要)をしてもらいます。生前戒名をいただいていて赤字で彫ってある場合も同じです。篠山の場合ですと菩提寺のご住職が声をかけてくれるのでまず大丈夫だとは思いますが、念のために書かせていただいておきます。ただ、最近はネットなどで位牌や仏壇を買ってそのままお性根を入れないでおいているなんてこともあるようなので気を付けていただきたいです。浄土真宗の過去帳はお寺様に依頼してもいいですし、ご当家で書き入れても構いません。この場合はあくまで記録を残すために書くのが主な目的ですので、お性根とかの考えは必要ないのです。

お位牌はただ戒名が書いてあるものではなく亡くなった方をお祀りするときの象徴のような役割をしてくれます。人が人を想うときにはやはり対象があるほうがわかりやすいからでしょう。だから今日でもとても大切にされているのだと思います。どうしても世代が進むにつれてなんとなく祀っている感じになってしまいがちですが、一度仏壇に祀られているご先祖様のお位牌をゆっくり見てみるのもいいかもしれませんね。

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