みなさんこんばんは
きょうはお焼香についてです。
お葬式に行ったらほぼすることになるお焼香、でも正式な作法って意外と皆さん知らないんじゃないでしょうか?今回はこのお焼香の作法について書いてみたいと思います。
まずはお焼香の意味ですけど1つはその場によい香りを漂わせることでお浄土の世界を再現するというのがあります。お浄土は何とも言えない良い香りがするといわれておりそれを表すために香をたくのです。そして2つ目は自身やその場を清めるためのものとしての意味もあります。こちらの意味の方は聞いたことがある人も多いでしょうし想像しやすいかもしれませんね。
お焼香っていうと皆さんは抹香をくべるのを想像すると思いますが線香をあげるのも本来は焼香なので意味はおんなじなんですよ。よくお葬儀の始まる前に来られた方がおられたときに焼香用の香炉にまだ炭を入れてないときはお線香を上げてくださいとお願いすることがあります。するとどうしても抹香の方のお焼香をさせてほしいとおっしゃる方が結構います。おそらくそういう方は抹香の焼香をしないといけないと思い込んでるのだと思いますが、お線香でしても意味は同じなのでできれば線香でしてあげてください。お葬儀屋さんの方もお葬式が始まる前に抹香用の香炉はきれいに掃除した状態にしときたいので開式ギリギリの時間にまた掃除することになってバタバタしたくないという事情もあるんですよ。抹香の香炉を掃除するのって結構時間がかかるんです…。
じゃあなんでお葬式中の焼香は抹香なのかといいますとこれは私の想像ですが多くの方にみんなお線香立ててもらうと香炉に立て切れないですし時間も大幅にかかってしまうからってのが本音じゃないかな?と思います。意味ではなく物理的な事情も大きいんだと思いますよ。
そして線香にしろ抹香にしろお供えした時の香りは故人が49日間の旅をする間のお食事になるとも言われています。仏様の食事というのは基本「香り」です。お供えの食事や果物なども「香り」手向けるお花も「香り」がメインになります。ですからよくお線香はいい香りのするものをお供えするようにとおっしゃるお坊さんもおられます。また最近は線香にもコーヒーの香りなど故人が好きだった香りをお供えするというものも出てきています。
お香って高いものはめちゃくちゃ高いですからねえ1グラム40000円以上とか・・・・1グラムですよ、ほんとビックリです。
でもかなり貴重なものでなかなかない物みたいですけど。正倉院にも蘭奢待っていう沈香の香木が収めてありますが、あれって1グラムいくらなんだろう?ってしょーもないことを考えたりしてしまいます(笑)
そしてお焼香の作法なんですが、一連の流れを書いておきます。
まず席を立ちお焼香所へ進みます祭壇に向かって一礼した後お焼香をし手を合わせます。よく最初に合掌される方がおられますが合掌はお焼香の後が正式な作法です。その後喪主様などが立礼に立たれているところへと進み一礼をして元の席に戻ります。この時の道順などは葬儀社のスタッフが案内してるんですが、これもできるだけ案内に従って進んであげてください。葬儀社の方もがんばってできるだけスムーズに進めるように導線を考えているんで「こっちからのほうがいい」と思われることもあると思いますけど案内に従ってあげていただけたらありがたいです。
また、お焼香所に進む前に振り向いてご遺族や参列者に向かって一礼される方も多いと思います。とても丁寧でよいことだとは思いますが、お焼香される方が100人おられた場合ご遺族の方は100回お辞儀を返すことになります。これは大変なことですし、また時間もものすごくかかってしまいます。最近は火葬場の入場時間を守らなければならないので出棺時間が遅れすぎると問題になってしまいますし、そのために最後のお別れの時間が十分に取れなくなってしまったりすることになりかねないので葬儀社の方からご一礼は省いていただくようにご案内がありましたらできれば協力してあげてください。お焼香の後に喪主様の前は必ず通りますのでそこでご挨拶していただくことができますから。また、同じ理由でお焼香の回数を1回でお願いする場合もあります。
あと、お通夜やお葬式に行ったときに何回したらいいのかな?と思うことがよくあると思いますので代表的な仏教の宗派のものを書いておきます。
曹洞宗 頂いて1回頂かずに1回の2回
天台宗 特に決まりなし、1回か3回
浄土宗 特に決まりなし、1回か3回
日蓮宗 頂いて1回か3回
浄土真宗本願寺派 頂かずに1回
浄土真宗大谷派 頂かずに2回
真言宗 頂いて3回
臨済宗 頂いて1回
一般的にはこのようになりますが地域やお寺さんによって変わることもありますので絶対ではありません。
お焼香も作法や回数にこだわりすぎる必要はないと思います。当然正式な作法を知っておいていただくにはとても大事なことではありますが
なにより故人に対しての想いをこめてしていただくのが一番
ですから。