みなさんどうも本多セレモニー東です
さて今回は題名の通りお葬式の会場で一番目につく祭壇について書いていきたいと思います。ただ、宗派や地域で違いもありますのでそのつもりで読んでくださいね。
みなさんはお葬式にほぼ必ず存在する祭壇ってそもそも何のためにあるのかわかります?祭壇はお葬式の儀式をするのに必要なもので、仏教のお葬式ではお寺の本堂の中にある内陣といわれるところにご本尊が祀ってあるんですがそこにある須弥壇を表したものになります。ですから簡単に言うとお寺の中を再現した感じになります。最近ではお花で作った祭壇がほとんどですからちょっとわかりにくいかもしれませんね。
本来は仏教の祭壇では真ん中の一番高いところにご本尊、代表的なものですと天台宗、浄土宗、浄土真宗では南無阿弥陀仏、曹洞宗、臨済宗では南無釈迦牟尼仏、日蓮宗では南無妙法蓮華経、真言宗では南無大師遍照金剛といった掛軸が掛けてあります。これを中心に灯篭やお供え物、お花を左右に飾り祭壇を形作ります。
このような感じが昔からの一般的な祭壇になります。このタイプの祭壇がお寺の須弥壇を再現するという意味では一番わかりやすいと思います。
最近はお花中心になってきましたので
こういった祭壇も見るかと思います。白木づくりの祭壇よりも華やかに見えるこちらの花祭壇のほうが現在は主流となっています。
きれいなお花に囲まれて故人を送ってあげたいというご遺族の気持ちの表れや、白木のお祭壇はどうしても使いまわしになりますがお花の場合は一回一回新しいお花で作るというのもありますし、故人のイメージを表しやすいということなどが人気のある理由です。
先ほども言いましたように祭壇を中心とした場所(会葬者のお席の前側、お寺様が座っているところから奥)はお寺の内陣を表しているので本来神聖な場所になります。観光地のお寺でもこの場所には勝手に立ち入れないように柵がしてあることがほとんどです。
ですから私がまだ若手のころはお坊さんの作法中にむやみに立ち入ったりゴミが落ちていたりすると先輩方によく注意されたものです。そりゃあもう厳しい人だとかなりの勢いで怒鳴られましたよ…(汗) なので今でもその空間に入るときには一礼したり、できるだけごみのないようにしています。
また、本来お葬式の祭壇を中心とした空間はお釈迦様のお亡くなりになった時の様子も再現していましてそこに飾られるものにもさまざまな意味があります。亡くなった方をご安置するときやお棺を安置するときの向きが北枕にするのはよく知られていますが、これもお釈迦様が亡くなられたときに頭を北側にして西に向かわれて横になられていたことに由来します。ただし、場合によっては祭壇に向かって右側が上座になるため頭の側を方角に関係なく向かって右にしている場合やご本尊が阿弥陀様の場合阿弥陀様は西方浄土におられますので阿弥陀様が飾られている方角が西になるという解釈でそうしている場合もありますのでご注意を。たまにただ間違えてる場合もあるかもしれませんが…。
あとみなさんは祭壇の真ん中には遺影写真が飾られているのが当たり前と思っているでしょ?これも地域差はあるかもしれませんが浄土真宗などでは真ん中にお写真や、お位牌も置くのは良くないとされています。これはなぜかといいますと最初のほうに言いましたが祭壇の一番上にはご本尊が飾られています。
仏教のお式ではご本尊がきちんと祭壇の中心に祀ってあれば大丈夫なのですが、浄土真宗では特にこのご本尊(阿弥陀様)を大切にします。ですから前に何かを置くのは良くないのです。ましてや写真でご本尊の阿弥陀様が隠れてるなんてもってのほか!これも昔は口を酸っぱくして教えられたものです。ですから私はお釈迦様を中心として一段下の右にお位牌、左にお写真を飾るんですが最近は葬儀業界の中でもあまりこだわらなくなってきた感じはあります。
オッサンの古臭い感傷かもしれませんがついつい浄土真宗のお葬儀に参列したときにお写真が真ん中に来ていると「できればそういうとこはちゃんとしていってほしいな~」と思っちゃいます。私たちはプロなんですから!
おっと話がそれちゃいました(汗)、あとこんなものが祭壇に飾られているのを見たことありますか?
これは四花(華)といいます。お釈迦様が亡くなられた時の様子を描いた涅槃図というものを見るとお釈迦様の両側に沙羅双樹があるのですがその一本はお釈迦様が入滅されても教えは枯れることないよう咲き誇り、もう一本は入滅されたことを悲しんで枯れてしまいました。この四花(華)はその沙羅双樹を表しています。宗派によっては置かなかったり地域によって形や色が変わります。
これは一例ですが何気なく祭壇においてあるものにもそれぞれ意味があるものであったりします。こういったことに注意して祭壇を見てみるとまた違ったものに見えてくるかもしれませんね。
祭壇は葬儀の費用の中でも大きな部分を占めてきます。ですから、できれば何のために作るのかを知っておいてもらいたいと思い今回かいてみました。まだまだ細かい部分も書いていくときりがないんで今回はここまでに。参考になればいいんですけどね~。